「終わりのセラフ」は、ダークファンタジーに分類されるようなシリアスな展開の多い作品です。
登場人物が全体的に明るく、飄々としているため、コメディー的な要素や思わずクスッとしてしまうようなシーンもたくさんあります。
ここではアニメ版のキャラクターと声優さんに注目してみましょう。
「終わりのセラフ」の世界とは?
舞台は日本、主人公たちが8歳のとき、突然発生したウイルスによって大人たちが死んでしまい、これまでの人間社会が崩壊します。
子供たちは吸血鬼たちが生活する、日の当たらない地下の都市で新たに生活を始め、自分たちの血液を吸血鬼たちの食料として提供する代わりに食料などを与えられて家畜として生きることになります。
吸血鬼の手から逃れた一部の大人たちは呪術組織「日本帝鬼軍」となり、吸血鬼や人間を襲う化け物であるヨハネの四騎士を倒し、世界を吸血鬼や化け物たちから取り返そうと戦っています。
地下都市から逃げ出した主人公の優一郎も日本帝鬼軍に入り、吸血鬼たちと戦います。
柊シノア(CV:早見沙織)はどんなキャラクター?
柊シノアは、日本帝鬼軍を統べる柊一族の直系であるお嬢様でありながら、家に巻き込まれるのを嫌い、平の軍人でいる少女です。
髪を束ねる大きなリボンがトレンドマークで、常にうっすらとした笑顔を貼り付けて本心を表に出すことがありません。面白いことが大好きで隊の仲間である優一郎や三葉にいたずらしたりからかったりと周囲を振り回しては楽しんでいることが多いです。
上司であるグレンの命令に従いながらも本人に対して文句を言ったり、すねたり、からかったりと基本的に誰に対してもやりたい放題ですが能力の高さを買われており、いざという場面では仲間たちをしっかりとまとめ、隊長として振る舞うことができます。
シノアを演じる声優の早見沙織さんは「魔法科高校の劣等生」でヒロインの司波深雪や、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」のマリア・キャンベルなど、多くのヒロインを演じています。
とても柔らかい声で、優しくてやわらかい雰囲気の少女を演じることが多いですが、どのキャラも芯の強さを持っています。本作品のシノアもかわいくて、強く、やさしい女の子です。
百夜優一郎(CV:入野自由)はどんなキャラクター?
主人公はジャンプ作品の主人公らしい、元気で少し自分勝手に突っ走るところがありながらも一生懸命で常に全力なちょっとバカな少年です。
幼いときに両親に捨てられ、孤児院に引き取られた直後に世界が崩壊し、吸血鬼の地下都市で吸血鬼の食料として育てられました。両親からは「悪魔の子」としてさげすまれましたが、孤児院では年長者として幼い子たちの面倒を見ていました。
孤児院の子供たちにことを守らなくては!と一生懸命に生活していました。地下都市から脱出する際に家族だと思っていた孤児院の仲間たちを吸血鬼に皆殺しにされてから、人間の世界で「吸血鬼に復讐する」ためだけに生活しています。
シノア隊の仲間たちとははじめは喧嘩ばかりでしたが、彼らのことを新しい家族だと思うようになってからは孤児院のころと同じように「家族を守る」ために戦うことができるようになりました。
自分の好きなものを守り続ける精神の強さで周囲の考え方や環境を変えることができる主人公です。
優一郎を演じる声優さんは「千と千尋の神隠し」のハクや「おそ松さん」の松野トド松など、多くの主人公やキーパーソンとなるキャラクターを演じている入野自由さんです。
百夜ミカエラ(CV:小野賢章)はどんなキャラクター?
百夜ミカエラは優一郎と対になるこの作品のもう一人の主人公です。
優一郎同様に幼い頃孤児院に引き取られ、優一郎が最も信用している家族であり、親友です。孤児院の中では最年長としてリーダー的役割を務めており、心優しく、子供たちをまとめるのが上手な少年です。
地下では貴族の吸血鬼に自ら進んで血を提供して吸血鬼に取り入り、地下からの脱出方法を考え出しました。しかし、脱出の途中で致命傷を負い、生き残るために吸血鬼の女王「クルル」の眷属となり、吸血鬼として生きていくことを決意します。
吸血鬼になっても優一郎が大好きで、人間の世界に生き延びた優一郎のことを守るために強くなっていきます。
声優さんは「ハリー・ポッター」シリーズで主人公ハリー・ポッターの声の吹き替えを務めた小野賢章さんです。
幼い頃のとてもかわいらしいミカエラと吸血鬼として成長してからのクールで大人びたミカエラを見事に演じ分けています。
一瀬グレン(CV:中村悠一)はどんなキャラクター?
一瀬グレンは地下都市から逃げ出した優一郎を見つけ、軍へスカウトした人物です。
優一郎の親のような存在であり、優一郎が日本帝鬼軍に入ってからは上官となります。
優一郎の性格をよく知り、自分の信頼しているシノアを優一郎につけ、吸血鬼と戦う上で大切なことを仕込むだけでなく、優一郎に新しい隊の仲間「家族」を与えました。
グレン本人は何を考えているかわからない人物であるため優一郎には本心や意図が伝わらず優一郎がグレンに対して文句を言う場面も多いですが、グレンが優一郎を信用しているように、優一郎もグレンを信頼しており、グレンのピンチには全力で助けに行くなど強い信頼関係で結ばれています。
中村悠一(一瀬グレン役)に対するファンの評価は?
一瀬グレン役の声優・中村悠一さんに対するファンの方の評価を見てみましょう。
適当っぷりと、尖っている感じが魅力│20代男性ファン
声自体は氷菓とい作品で知って、主人公のイメージにピッタリの声だと感じていました。
グラブルの七周年生放送に出演されているのを見て、改めてどんな声優さんなのかを知りました。そこでの適当っぷりというか、自由な感じや正直さみたいなものが見られて尖っている感じが魅力だと思います。
役の幅がとても広く、多数の作品に出演されていてダウナーなキャラや誠実なキャラ、熱いキャラなど演じ分けがすごいです。また、結構ゲームをしていて、生放送やツイートなどでつぶやいているので親近感が湧きます。
小野大輔さんが演じる好きなキャラクターは?
折木奉太郎(氷菓)
折木奉太郎は「氷菓」の主役でダウナーな感じなのですが、そのやれやれ感が滲み出ていてピッタリだと思うのと、小説原作ということもあり、そのキャラクターは心の中の声や推理パートなどの長ゼリフも聞いててすっと入ってきます。時折りみせる強い感情も演じ分けによるコントラストが表現されています。
小野大輔さんが出演するオススメ作品
- 氷菓
- CLANNAD
- WWW.WORKING!!
男性キャラクター同士の関係は?
「終わりのセラフ」では男性キャラクター同士の友達関係、ライバル関係、友情、そして見ようによってはBL的な関係が描かれています。
百夜優一郎と百夜ミカエラの関係
百夜優一郎と百夜ミカエラが初めて出会ったのは百夜孤児院です。当初二人はライバルのような関係性でしたが、世界が崩壊し、吸血鬼の元で生活するようになってからは二人で幼い子供たちの面倒を見ながら協力しあう関係になります。
そして二人は子供たちと一緒に吸血鬼たちの地下都市から脱出する計画を立てます。しかし、計画は吸血鬼のフェリドによって阻止され、子供たちは皆殺しにされてしまいました。
ミカエラも瀕死の状態になり、吸血鬼に捕まります。優一郎はミカエラに逃げるように言われ、命からがら地下から逃げ出しますが、この出来事から吸血鬼に対する憎しみが強くなり、彼の行動の原動力となります。
一方、瀕死の状態から生き残ったミカエラは唯一人間のまま生き残った優一郎と再び一緒に、昔のような家族として生活するために行動します。ミカエラにとって優一郎は守るための行動原理ですが、優一郎にとってミカエラはすでに死んでしまった「過去」の存在です。
二人の再開シーンは見所といえます。また百夜優一郎が百夜ミカエラに自分の血を与えるシーンにはBLっぽい雰囲気があります。
百夜優一郎と早乙女与一の関係
百夜優一郎と早乙女与一は「友達作り」をさせられている高校の同級生です。
早乙女与一が不良からいじめられているところを優一郎が助け、その後襲撃してきた吸血鬼にともに立ち向かったことで友人になりました。
乙女与一はおどおどして気弱な性格であったため、鬼にのっとられることもありましたが、優一郎と君月の説得で自分を取り戻し、芯が通った性格になっていきます。
百夜優一郎と君月士方の関係
君月士方は優一郎と与一が編入した吸血鬼殲滅部隊を目指すクラスで出会った少年です。
短気で態度が悪いものの成績優秀で、優一郎とはライバルの関係になります。性格の合わないふたりはことあるごとに喧嘩をし、その関係は軍に入って吸血鬼と戦うようになってからも変わりません。
そんなふたりを与一が間に入って止めるというところまでが定番の流れとなっており、3人はいつも一緒に行動しています。
【ネタバレ要素】シノアと真昼の関係
主人公たち吸血鬼殲滅部隊が使う武器にはそれぞれに鬼が宿っています。彼らはその鬼を精神的に屈服させることで武器を使用することができます。吸血鬼を殺すことができる武器は鬼の宿った鬼呪装備のみです。
この鬼呪装備を屈服させるとき、彼らの抱えている欲望や過去のトラウマが明らかになります。
そして鬼呪装備の中の鬼たちは元々は吸血鬼や人間であり、戦いには彼らの意向も含まれます。鬼を支配しているのか、それとも鬼に支配されているのか、といった葛藤もこの作品の見所です。
シノアには元々姉である真昼がいました。彼女はグレンの元恋人ですでに亡くなっています。
柊一族の直系でありながらも一族を裏切っているため忌々しい存在として扱われ、シノアは姉にたいする苦い思い出があります。そして現在、真昼はグレンの武器となって、グレンを通してシノアを見守っています。
なおアニメ版では主人公・優一郎の親役だったグレンの若い頃、ウイルスによる世界崩壊が起こる前の世界を描いた作品が小説版、コミックとして発表されています。
アニメや原作ではメインとして登場することがない「グレンの仲間」たちの関係がどのようにしてできあがったのか、彼らはどのような存在であるのかを楽しむことができます。