声優志望だった私は、声優を目指す中でいくつものアルバイトをしました。
声優になるには養成所に通ったり、オーディションを受けたり、そして、家賃や生活費を得たり、というように何かとお金が必要だからです。
結局、アニメの声優という当初の夢は果たせませんでしたが、「声を生かした仕事をする」という目標は達成することができました。
声優を目指して一生懸命勉強したり、劇場でアルバイトをしたりという経験は決して無駄にはなっていないと感じています。
ここでは自分自身の経験をもとに、声優志望の人に向いているアルバイトや職業についてまとめてみたいと思います。
声優志望者に劇場でのアルバイトをおすすめする理由
私自身、この仕事をやって本当に良かったと感じているのが劇場での業務です。
最初に劇場でのアルバイトについて紹介します。
劇場でのアルバイトで「聞き取りやすい話し方」を評価される
まずアルバイト時代には、劇場の裏方スタッフとして配属されました。
お客様対応で聞き取りやすい話し方を推奨される為、声優の勉強は大変役に立ちました。
劇場内でのご案内業務、たとえば撮影禁止や飲食禁止を伝える仕事などではナレーションのように落ち着いてはっきりと話せる技術も重宝されました。
劇場内であればどこに配属されても、声優になるために学んできた技術は生かせるように感じられました。
業界の裏舞台を知ることができる
また、ステージ周りや楽屋での業務に当たることもあります。
ここでは新たな勉強の場となることが多くありました。登壇者は勿論のこと、イベントを開催するための人員数や職種を知り、それぞれの立ち回りを学べます。
ステージ裏の空気等も、実際に働いている人と接触しながら学べる機会はそうあるものではありません。観客としてステージに足を運ぶだけでなく、働いてみるという選択肢は本当におすすめです。
劇場での業務経験が館内アナウンスの職業につながった
そして現在、私は幸運にも仕事として館内アナウンス等の職を得ることができています。
声優を目指して勉強してきたこと、そして、劇場での就業経験があること、そのいずれも職を得る上で高く評価されました。
声優志望者のアルバイト選びのポイント
声優を目指すにはお金がかかるので働きながら勉強する人がほとんどだと思います。
しかし、アルバイトの為に勉強の時間が削られてしまっては本末転倒です。
声優養成所に通う人達のアルバイト先には色々ありますが、その中からおすすめのアルバイトをいくつかご紹介します。
肉体労働はレッスン日を外した方が良い
養成所に通う場合、レッスンの拘束時間は比較的短時間のことが多いです。
そのため残業の可能性がないものであればレッスン日にアルバイトをしても問題ありません。
ただしレッスン内容には体力を消費するものも含まれますので、倉庫作業や会場設営・撤収等の重労働は避けることをおすすめします。
声優として活動する上で体力は必須な為、鍛える意味であえてレッスンの無い日にこうした仕事に就くのは良いかと思います。
大声やアドリブ力が求められる仕事を選ぶ
少し変わった方面では、呼び込みのお仕事もおすすめです。
実際に養成所に通う人の中で見た例では、魚屋のアルバイトがありました。
店頭に立ち、大声で淀みなく商品の宣伝をする。こうした業務は滑舌や発生の練習も役立ちますし、お客様に合わせた即座の臨機応変な対応はアドリブ力も鍛えられます。
声優スキルを生かせる職業とは?
声優になるためには養成所や専門学校に通って必要なスキルを学ぶ道が最も一般的ですよね。
そこで培ったものは専門知識であり、仮に声優の道以外に進んだ場合にも役立つものだと思っています。
滑舌よく、聞き取りやすい話し方が求められる職業を選ぶ
声優と同じく話すことがメインのお仕事であれば、声優のスキルを直接生かすことができます。
職種としては、
- ナレーター
- 司会業
- アナウンサー
などが挙げられます。
テレビやラジオ等のメディアに出るものの他にも、デパートや劇場の館内アナウンス、冠婚葬祭の司会進行等、日常生活の意外なところにも活躍の場があります。
最近では、目の不自由な方のために文字情報を読み上げるサービスも見られるようになりました。
これらの職業は声優を目指す過程で、「はきはきと」「滑舌よく」「聞き取りやすく」といった、上手な話し方を勉強してきた人にとって天職と呼べるのものといえるでしょう。
台本を通じて学んだ読解力や想像力が事務仕事に生かせる
声優になるための勉強の過程で、台本を読み込む機会はとても多いです。
台本として使用するものの中にはシェイクスピア作品等のそこそこ難解な題材も出てきます。
当然ただの音として発声するだけではなく心情や情景を浮かべながらの演技をする必要がありますので、自ずと読解力や想像力が鍛えられます。
内容を理解しながら読む癖がつけば大抵の事務仕事には有利に働きますし、文章を読む能力としては校正の仕事等にも活かせます。
まとめ
声優を目指している人のアルバイトには、「絶対にこれが良い!」というものはなく、レッスンの妨げにならなければ何でもOKです。
でも、できることなら声優スキルを生かせたり、声優スキルを高められたりする仕事の方がやりがいがありますよね。
それから、あまり失敗したときのことを考え過ぎるのも良くないですが、声優になれなかった場合に別の職業につくことができれば少なくとも生活は成り立ちます。
私としては、最初にお伝えしたように劇場やイベント会場の裏方のお仕事がおすすめです。
劇場での業務内容は様々ですが、ナレーション業務に当たれば声優になるために得た技術を遺憾なく発揮することができます。
その上イベント開催の裏側に携わることになるので、イベント開催の構造を理解し、将来自分がステージに立つ際のイメージも掴めることでしょう。