黒執事は19世紀末期のイギリスを舞台に、幼い伯爵シエルと執事のセバスチャンが事件を解決する物語。
月刊Gファンタジーで2006年10月号から続く、枢やなのマンガのアニメ化です。
黒執事って、キャラクターが魅力的ですよね。執事のセバスチャンとシエル少年の主従関係も独特で面白いです。
よくありがちなミステリー作品だと思ったら大間違い! 謎解き要素、アクション、ファンタジー、SFなど幅広いジャンルの要素を兼ね備え、アニメを見たら原作の漫画も読みたくなって全巻そろえてしまった、という話をよく聞きます。
ここでは黒執事の主要キャラクターや、キャラクター間の関係に注目し、黒執事の魅力に迫ってみましょう。
セバスチャン・ミカエリス(CV:小野大輔)はどんなキャラ?
主人公のセバスチャン・ミカエリスは大英帝国の大貴族ファントムハイヴ家の執事を務めています。
行動、言葉遣い、教養、武芸、料理、おもてなしなど何一つできないことがない、完璧すぎる執事です。自分以外の使用人や主人の失敗をフォローし、主人からの無理難題にも笑顔で、時には苦笑いで完璧に仕事を遂行します。
そして完璧すぎるのは中身だけではなく見た目も。黒髪、赤い瞳、長身にイケメンと見る人全てが思わず振り返ってしまうようなかっこいい人物。しかし性格は主人に対しても毒舌、皮肉、嫌み、暴言などなど…態度は丁寧ながらも言葉一つ一つは棘だらけで、そこもセバスチャンの魅力といえるでしょう。
セバスチャンの正体は主人であるシエルと契約している「悪魔」。彼は人間ではありません。魔法を使うことはないですが、人間ではできないような動きがアニメでとても美しく描かれています。
声優を務める小野大輔さんは「はたらく細胞」のキラーT細胞や「ノルン+ノネット」の吾妻夏彦などの数多くのイケメンを演じていらっしゃる方です。
黒執事のセバスチャンは色気のある大人のキャラクターです。小野さんの声はかっこよくて、色気たっぷりながらも裏のあるなセバスチャンにぴったりです。
小野大輔(セバスチャン・ミカエリス役)に対するファンの評価は?
黒執事でセバスチャン・ミカエリス役を演じている小野大輔さんを、ファンの方々はどのように評価しているのでしょうか。
小野大輔さんが演じる好きなキャラクターやおすすめの出演作品に関するコメントを見てみましょう。
イケメンからおもしろキャラクターまで幅広い!│30代女性ファン
小野大輔さんがたくさん有名なキャラクターを演じているのは知っていますが、小野さんの声を実感したのは黒執事の悪魔な執事でした。
その後、小野さんが演じているキャラクターを興味を持って見るようになり、イケメンからおもしろキャラクターなど主役級から脇役まで声の振り幅がスゴイと衝撃を覚えました。
小野さんの作品をたくさん観たおかげで、事前情報を知らない作品でも声だけを聞いてわかるようになりました。小野さんの声が特徴的で魅力的だからだと思います。
小野大輔さんが演じる好きなキャラクターは?
十四松(おそ松さん)
イケメンだったりカッコいいキャラクターを演じているイメージだったのを覆される作品でした。こんなふざけた面白い作品でもキャラクターにぴったりの雰囲気で演じているのは衝撃でした。野さん以外が十四松を演じることは無理なのでは?と思ってしまうほどでした。
小野大輔さんが出演するオススメ作品
- おそ松さん
- 黒執事
- デュラララ!!
シエル・ファントムハイヴ(CV:坂本真綾)はどんなキャラ?
シエル・ファントムハイヴは、セバスチャンには「坊ちゃん」と呼ばれているファントムハイヴ伯爵家の現在の当主。
広大な伯爵家の敷地を治める傍ら、一大市場を築く玩具・製菓のメーカー「ファントム社」の社長を務めている少年です。
「坊ちゃん」と呼ばれている子供で誰もが想像するような、わがままでプライドの高いお子様な12歳ではありますが女王の番犬と呼ばれる伯爵家の仕事は完璧にこなす完璧主義者でもあります。
セバスチャンはシエルにとっては部下に当たるため、彼に対して人間では到底できない沢山の無理難題を要求します。それに対して嫌な顔をしながら仕事を完璧にこなすセバスチャンとのまさに相手の限界を試すような「勝負」を見ているとつい感激してしまうほどです。
服装はメルヘンでレースの多い貴族の少年服。右目にある悪魔との契約印を隠すために常に眼帯をしています。見た目からも思わずヲタク心をくすぐる少年です。
声優さんは「桜蘭高校ホスト部」で藤岡ハルヒや「鬼滅の刃」の珠世など少女や女性の役を多く演じていらっしゃる坂本真綾さんです。
坂本さんの少年役は多くはありませんが、その中でもこのシエル・ファントムハイヴは飛び抜けて特徴のあるキャラクターです。女性役のイメージが強い坂本ですが、黒執事では他作品とは異なる魅力が感じられるでしょう。
グレル・サトクリフ(CV:福山潤)はどんなキャラ?
グレル・サトクリフは、セバスチャンやシエルとは異なり、死神派遣協会の回収係という現世には存在しない役どころです。
死神のイメージを真っ向から覆す真っ赤な長い髪に真っ赤な洋服、ギザギザの歯にチェーンソーを所持したオネエ?というインパクトの強すぎる人物です。
イケメンが大好きでセバスチャンを見つけると「セバスちゃん」と呼んで求婚したり殺し合ったりと全力で絡みに行きます。
セバスチャンを含め、自分がお気に入りだと思った相手に対しては、「現世に過剰に干渉しない」という死神のルールはお構いなしでアタックします。死神協会からはたびたび謹慎処分になっています。
本編の中でもグレルが登場すると話がややこしくなったり、思いもよらない方向に進み始める合図になっていることが多いようです。
声優さんは福山潤さん。福山は「明治東京恋伽」の藤田五郎などのイケメンキャラから「暗殺教室」の殺せんせーなどの人外まで様々な一癖二癖もあるキャラクターを演じることに定評のある声優さんです。
原作となる漫画のグレルも語尾に星★がつくなど画面のインパクトが強いキャラクターですが、アニメで福山さんが声を当てられたことで語尾の★などが忠実に再現され、さらにインパクトの強いトンでもキャラとなっています。
黒執事を面白くしているキャラクター同士の関係とは?
黒執事の物語を盛り上げている、キャラクター同士の関係に注目してみましょう。
シエル・ファントムハイヴとセバスチャンの関係
シエルは12歳というまだ幼い子供でありながら、ファントム家の伯爵を務めています。
これは幼い頃に家族やその当時の使用人を襲撃者の手で奪われ、唯一生き残った子供だからです。
彼は襲撃者に襲われたとき、誘拐され、悪魔を呼び出そうとする黒魔術を行う貴族たちに贄として買われました。そして悪魔の召喚の儀式で呼び出されたセバスチャンと主従関係を結んだのです。
主従の誓いは、「シエルと家族を地獄に突き落とした人間たちに復讐をするために自分をサポートする」こと。そしてその目標が達成された暁には自分の魂をセバスチャンに差し出して食べられる!というものでした。
魂を縛る契約でつながれている二人はお互いを決して裏切ることができません。セバスチャンは嫌みを言いつつも自分の主人をいつか自分の最高のごちそうにするために完璧な魂へと育て上げます。
そしてシエルは自分の復讐を達成するためにセバスチャンを利用します。2人の関係は、命よりも使命感よりも忠誠よりも重い、究極の主従関係です。
シエルとアンダーテイカーの関係
アンダーテイカーはその名の通り葬儀屋を行っている人物です。長い銀髪で目元までを隠し、情報を提供する代わりに極上の笑いを要求するという変わり者。
捜査を行うたびにシエルはアンダーテイカーの元を訪れ、裏社会の情報や死者の情報を聞き出します。一方でアンダーテイカーはシエルを自分の棺に入るように毎度勧誘をし、シエルをからかいながら協力をします。
アンダーテイカーは情報屋以外の顔を持ち、思いもよらない局面でシエルの前に現れては味方になったり敵になったりとふわふわと立場を変えます。
ファントムハイヴの秘密を知るアンダーテイカーの言葉の節々にはシエルのまだ知らない真理が含まれており、次の展開への布石にもなっています。
【ネタバレ無し】黒執事はどんな作品?
舞台は19世紀の大英帝国(イギリス)。主人公たちは帝国の最高権力者クイーン・ヴイクトリアのもとでイギリス社会の平穏のために力を尽くす貴族です。
平穏と行ってもスコットランドヤード(軽擦)が捜査を行うような事件を操作するのではなく、「女王の番犬」「悪の貴族」と呼ばれるにふさわしいイギリスの裏社会や敵対する国々との水面下での駆け引き、表に出すことができない王家や貴族のスキャンダルなどを秘密裏に処理する処理がかりです。
そのためファントムハイヴ家は王家を狙ったり、テロを企てたり、戦争をしようとしているなど、様々なヤバい組織やヤバい人物と関わり様々な事件に巻き込まれていきます。
勧善懲悪ではなく、自らが悪の一部であることで女王の求める世界を作り上げるために力を尽くす、決して日の目を見ることのない陰の立て役者の仕事っぷりを思う存分に楽しむことができます。
原作の作者はゲーム「ツイステッド・ワンダーランド」のキャラクターデザインなどでも知られる枢やなさんです。ツイステッド・ワンダーランドにも共通しているミステリアスさや作品自体の奥深さ、キャラクターの美しさがとても魅力的です。
【ネタバレあり】黒執事の謎めいたキャラクターたち
ここからはネタバレになりますのでご注意ください。2人のキャラクターの秘密に注目してみましょう。
アンダーテイカーの正体は?
アンダーテイカーの正体は死神派遣協会を追放された死神でした。
本来は行ってはいけない魂の改変に手を出し、完璧な動く死体を作り上げるために行動しています。そのためシエルの敵に姿を変えることになるのですが、敵となった後もアンダーテイカーはシエルとファントムハイヴ家に心残りがあり、シエルのとる道や行動を心苦しく感じています。
アロイス・トランシーとクロード・フォースタス
2期ではシエルとセバスチャンと似た関係性のライバルであるアロイス・トランシーとクロード・フォースタスが登場します。
彼らは「女王の番犬」であるファントムハイヴに対して英国のやっかいごとの後始末を行う「蜘蛛」と呼ばれ、シエル、セバスチャンと敵対関係になります。
セバスチャンに復讐するためにクロードを利用しようとするアロイスと、アロイスの復讐心を言葉巧みに操るクロードとの関係性にはシエルとセバスチャンとの関係とは違う気味の悪さと痛々しさがあり、そこも作品の魅力になっています。
アニメ版「黒執事」の楽しみ方は?
黒執事はまず何より作画がとても細かく、とても美しいです。中性のヨーロッパと言えば誰しもが美しいドレスやローブ、装飾を想像すると思いますが、アニメではその細部にまでこだわった装飾を心ゆくまで楽しむことができます。
中でもシエルの衣装はシエルの性格やキャラクター性を象徴し、その状況や立場をとてもよく表したものとなっています。
また貴族社会の裏事情が鮮明に描かれているのも魅力です。ジャック・ザリッパーのような有名な事件や有名な話のネタが多く含まれているので、映画好き、ミステリー好きにはたまらない要素が多くちりばめられた作品となっています。
黒執事を見るオススメの順番は?
アニメ版の黒執事には1期、2期、3期、OVA、劇場版があります。この中で2期はアニメのオリジナルであり、1期、3期の内容とは関連性が少し薄くなっているため、2期のみは単品でも楽しむことができるでしょう。
反対に、2期を見ていなくても3期を楽しむことも可能です。基本的には1期、2期(飛ばしてもOK)、3期、OVA、劇場版の順に鑑賞すれば、話の流れに沿って楽しむことができるでしょう。
記事は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。