「鬼灯の冷徹」は漫画で有名な作品で、アニメも漫画同様の1話完結型のストーリー構成となっています。
1回の放送の中でも2~3話分のお話が含まれているため、時間がないときやなんとなくアニメが見たいというときにも楽しめます。
「死んだら天国か地獄のどっちかに行く」という誰もが知っているお話をベースに、「地獄」をメインに描いたストーリーになっています。
死後のシステム
「鬼灯の冷徹」では地獄のシステムや、各キャラクターの立場はしっかりと決められています。
聞いたことはあるけれど詳しくは分からない仏教用語「1回忌」「49日」「お盆」「お彼岸」なども説明してくれます。
私自身、「法事」の意味を鬼灯を呼んで初めて知りました。
キャラクターには「桃太郎」や「一寸法師」「かちかち山」などの誰もが知っている童話のキャラクターが登場します。
さらに「古事記」「ギリシャ神話」「エジプト神話」「聖書」「妖怪」など世界各国の神話やその地方の歴史、各宗教における死後の扱われ方などが詳しく説明されます。
歴史好きな人、童話が好きな人、宗教学や神話に興味がある人など、たくさんの人のツボにはまるポイントがたっぷり詰まった作品です。
ここからは「鬼灯の冷徹」の主要キャラクターと、声優さんについて見てみましょう。
鬼灯(CV:安元洋貴)はどんなキャラクター?
主人公は閻魔大王の第一補佐官で、「鬼灯」という黒髪イケメンの鬼です。
第一補佐官とは、鬼の中では頂点の役職で地獄の中のナンバーツー。「官房長官みたいなもの」と説明されています。
他のキャラクターからも満場一致で認められるほどの仕事人で「彼にできないことはない」といえるような完璧なキャラです。
性格は真面目、潔癖、冷血、ドS、慇懃無礼となっています。あまりの仕事の完璧さに地獄のトップでもある閻魔大王よりも頼りになる「できる上司」のような人物です。
一方で辛いものが苦手だったり、変な呪いコレクションの収集癖があったりとお茶目な一面も…。
声優さんは「憂国のモリアーティー」のマイクロフト・ホームズや、「BLEACH」の茶渡泰虎を演じている安元洋貴さんです。
安元さんは言えば安定感と抱擁感のあるバリトンボイスに定評のある声優さんです。
鬼灯は誰に対しても毒のこもった敬語で話すキャラクターですが、安元さんの柔らかさのある声で演じられることで言葉の鋭さが際立ちます。
ドSなのに「仕事のできそうな、上司にしたい上司だ!」と思わされてしまう、知れば知るほど沼にはまっていく様なキャラになっています。
鬼灯が気にしているポイント
鬼灯はもともと人間であり、親のいないみなしごでした。そんな彼は住んでい村で生け贄となり、体は死んでしまいます。
その遺体に鬼火(火の玉)が入り込んだことで鬼として新たに生まれました。他の鬼は親から生まれてくるため、鬼の世界においても鬼灯はみなしごであり、そこが彼の馬鹿にされたくないポイントでもあります。
みなしごであることを馬鹿にされると、どんなことに対しても冷静である普段の性格が完全に抜け落ち、馬鹿にした相手を完膚なきまでにたたきのめします。普段怒らない人ほど怒らせるとやばい…まさにそんな性格です。
閻魔大王(CV:長嶝高士)はどんなキャラクター?
閻魔大王は主人公鬼灯の上司で、「地獄」を束ねるトップです。
しかし、キャラクターは一般的に知られている恐ろし人物ではなく、コミカルで優しく柔らかいキャラクターになっています。
右腕である鬼灯があまりにも仕事ができるため、わからないことに関してはほぼ全て「鬼灯君にきいてよ」と丸投げ。
そのたびに鬼灯に舌打ちされたり、あのバカと言われたりと散々ですが、ストーリーを読み進めれば進めるほどお互いの信頼関係の上に成り立っている会話であると言うことがわかります。
見た目は「優しいおじさんと言えば?」と問われて想像するようなビール腹の巨漢にひげを蓄えた人物。長身スレンダーでイケメンな鬼灯とは外見も対称的です。
声優の長嶝高士さんは「まじっく快斗」の白馬警視総監など様々な作品の「おじさん」キャラで出演している方です。一般的に知られている「閻魔大王」のイメージとは正反対の「いいひとだなぁ~」という人間性があふれ出ています。
閻魔大王と鬼灯の人間関係
普通の会社であれば上司が部下を指導する、又は上司が部下に仕事をさせるという形が一般的ですが、この鬼灯と閻魔大王は違います。
地獄における仕事の内容を熟知しており、全ての部署に指示を出しているのは鬼灯です。そして「仕事をしたくない」と言って隙あらば逃げ出す閻魔大王を捕まえて仕事をさせるのも鬼灯の仕事です。
さらには閻魔大王の食生活や体型、体調、態度までもを把握コントロールし、時に厳しく、時に楽しく閻魔大王を指導しています。
指導の仕方は「お母さんか!」と言われるほど。一癖二癖ある指導方法には「こんな怒られ方ならいいな」と思えるものもあります。
唐瓜(CV:柿原徹也)はどんなキャラクター?
唐瓜は鬼灯のもとで働いている鬼の一人で、物語当初は地獄に就職してきたばかりの新人として描かれています。
性格はとても真面目で仕事も良くできる「いいやつ」で、鬼灯からは「委員長キャラで1年に1回キレてクラスを凍てつかせる人」と言われています。
面倒見も良く、幼なじみの茄子のやらかした仕事を一緒にフォローする、同期にしたいキャラクターです。
声優さんは「A3!」の雪白東など穏やかなお兄さんや「あんさんぶるスターズ!」の明星スバル役など、かわいらしい少年キャラを演じている柿原徹也さんです。唐瓜のもつ隠された性格など一癖ある部分まで巧みに演じています。
正反対の唐瓜&茄子コンビ
幼なじみであり、同僚でもある唐瓜と茄子はいつも一緒に仕事をしているコンビです。
黒髪つり目の唐瓜と白髪垂れ目の茄子は見た目も正反対。性格も真面目で面倒見がよく「できるやつ」と上司に好かれる唐瓜と芸術肌で仕事が苦手だが「憎めないやつ」と好かれる茄子で正反対。
基本的には茄子の行動に対して唐瓜がツッコミフォローするという形ですが、時には唐瓜の性癖が垣間見える中で茄子が冷静に分析をするというシーンも。
とにかく一緒にいることで色々なことがうまくいってしまう、そんなコンビです。
桃太郎(CV:平川大輔)はどんなキャラクター?
桃太郎も鬼灯の冷徹では一風違ったキャラクターとして描かれます。
上司である白澤のもとで薬剤師を目指して修行をしているという設定です。困った人には手を差し伸べ、どうしようもない上司も見放さずに面倒を見るという「童話・桃太郎」のような頼りになる青年の一面も持ち合わせています。
声優さんは「劇場版・鬼滅の刃 無限列車編」で魘夢を演じた平川大輔さんです。魘夢のような妖艶なキャラクターや「BROTHERS CONFLICT」の右京など冷静で温和なキャラクターを多く演じている平川さんですが、桃太郎ほどツッコミの多いキャラクターを演じるのはちょっと珍しいですよね。
ツッコミのテンションの高さに声が裏返っていることも多く、ここまで声をテンション高く張り上げている平川さんの声を聞くことができるのは鬼灯の冷徹くらいではないでしょうか。
桃太郎のお供「シロ」「柿助」「ルリオ」
第一話でシロ・柿助・ルリオの3匹は鬼灯の引き抜きにより桃太郎のお供を退職し、地獄に就職します。
犬のシロはお供2匹からも桃太郎からも「バカ」「アホ」「ほんとおまえは…」と散々な扱われ様です。
しかしボスに忠実という犬の特性もあり、仕事はできるが少々怖い上司である鬼灯に対しても怖いもの知らずで突っ込んでいくことで他の2匹とともに問題に巻き込まれにいきます。
白澤(CV:遊佐浩二)はどんなキャラクター?
白澤は中国の妖怪で福を呼ぶ吉兆の印としても知られています。
天国にある桃源郷で薬局を営んでいるキャラクターで見た目は鬼灯と似たイケメンです。
しかし鬼灯とは真逆の女たらし、遊び人、金遣いが荒いという性格です。鬼灯とはとても仲が悪く、普段は弟子である桃太郎に対してしっかり仕事を教える様子も見られるのですが、鬼灯と出会ったが最後、目が合った瞬間に何らかの形でバトルが始まります。
声優さんは「ノルン+ノネット」の加賀見一月や「薄桜鬼」の原田左之助など色気のあるお兄さんのキャラクターを多く演じている遊佐浩二さんです。
普通なら女たらしの遊び人は嫌らしいイメージになりがちですが、色気のある遊佐さんの声によって嫌みのない遊び人キャラクターになっています。
仲が悪い白澤と鬼灯
めったに怒らない鬼灯の怒りの閾値を簡単に上げてしまう相手、それが白澤です。
彼らの確執は元々は「相性が悪い」程度のものでしたが、中国と日本との間で開かれた親善大会においてその関係性が一気に悪化します。
「トイレから出て切る女性の胸囲が大きいか小さいか」という賭けの結果勃発してしまった喧嘩によりふたりの仲は完全に「あいつが気に食わない!」というものに変わります。
その試合から何百年もたった今でも2人の確執は取り除かれることはありません。
さらに鬼灯も白澤も顔の作りの似ているイケメン同士。周囲の女性たちは、鬼灯と白澤、自分はどっちがタイプかと言う話しで盛り上がります。
女たらしの白澤にとって「鬼灯の方がタイプ」という女性たちの言葉は言った女性よりも鬼灯の方に怒りが向きます。
鬼灯としても、「白澤と似ている」という言葉は禁忌。いつも常に敬語の鬼灯が命令口調に変化するのは、白澤の話題があがった時くらいなものです。
そしてそんなふたりの関係を周囲にばらし、鬼灯を怒らせて「普段の鬼灯の態度への復讐」をする閻魔大王…。
鬼灯と白澤の確執は、「鬼灯の冷徹」を面白くしてくれています。
記事は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。